Shoma Uno’s new coach Stephane Lambiel gives insight into skater’s renewed focus
NBC Sports Feb 20, 2020
引用元:NBC Sports
―あなたのスクールに来て以来、宇野はどんな様子ですか?
昌磨はフィジカル的に超一流の才能の持ち主です。自分がどうしたいのか、どうすべきなのか、自分でよくわかっています。だから、コーチがいなくてもやっていけると思ったのかもしれません。実際、自分のスケーティングにきちんと責任を持っています。彼に必要なのは、学ぶためのキャンバスだけだったんです。
―コーチ不在で臨むという彼の計画は、なぜ成功しなかったのでしょう?
この数か月、昌磨は一切フィードバックすることなく、自分の考えだけに耳を傾けていました。どんなに偉大な画家で、新しいアイデァをたくさん持っていても、絵を描くキャンバスがなければしかたありませんよね。何もかもいっぺんにやるのは、とても難しいんです。
僕が昌磨にしてあげたいのは、彼が学んだり、繰り返したり、必要なことをするためのキャンバスを用意してあげることなんです。
―昌磨のことは昔から知っていますよね?
2012年か2013年頃からの付き合いです。初めて会ったのは2012年、インスブルックのユースオリンピックでした。僕は毎年日本のナショナルチームとサマーキャンプを行っているんです。昌磨が成長し、上達していく姿をずっと見ていました。その後は、ショーでずっと共演してきたので、彼の人柄や才能やトレーニング方法を見てきました。だからお互い良い関係を築くことができたんだと思います。
―あなたは天賦の芸術センスで成功されましたよね。昌磨の芸術面をどのように伸ばしてあげられると思いますか?
昌磨はリンクに立った瞬間、凄まじい感情のオーラを発します。芸術面では別格の存在です。
全日本選手権の間、日本に帯同しました。彼の瞳には静寂と唯一無二の豊かさが宿っていました。とても激しい感情と静かなパワーが観客を震え上がらせました。それは彼の持って生まれたセンスなんです。彼自身はそのことにまだ気づいていないでしょうけれども。音楽的な才能があるので、自然と流れるような動きを表現することができるのです。
―技術的な面ではどう評価しています?
昌磨はチャレンジすることが大好きなんです。練習を見ればすぐにわかります。その日の課題を与えたら、彼は必ずそれを上回ろうと努力します。そんな生徒を指導できる僕は恵まれていますね。それに彼は自分の限界をよくわかっています。実力以上のことを達成できた後は、2~3日クールダウンしたいと申し出てくるんです。自分を高める方法を知っているし、いかにバランスを取りながら努力すればいいかをわかっているんですね。あの若さでそれができるのはとても珍しいことです。
―宇野のプログラムに新しい4回転を追加する予定は?
あります。デビット・ウィルソン(宇野のフリーの振付師)が先日スイスに来て、それを踏まえた細かい手直しをしてくれました。4回転を増やすと、タイミングやジャンプまでの軌道、集中するポイントも変わってきますからね。今、世界選手権に向けて難易度を上げています。もちろん、全日本選手権の構成に戻すこともできます。選択肢が増えれば増えるほど、彼の追い風になります。全ては、当日決めることになるでしょう。でも彼のことだから、きっとチャレンジする道を選ぶと思います。
―増やすのはどの4回転になりますか?
ルッツの練習をしています。でもまだ4回転ではありません。今は正しい軸を覚える段階です。4回転回ることに問題はないので、あとは左半身を正しく回す方法を習得できれば、4回転ルッツを着氷するでしょう。実は4回転ループの練習もしていて、現時点ではそちらの方がレギュラーになる可能性が高いです。ループはエッジジャンプで、4回転ループを飛べる選手は一流選手の中でもあまりいません。他のスケーターと比べて、昌磨はエッジに力を溜め込むことができます。ネイサン・チェンにもできないことを。
―長い目で見て、宇野をどう思いますか?
彼ならではのキャラクターや表現を見せてくれると思います。彼はスケートで情感を表すのが本当に上手なんです。ショートプログラムでもそれができる。それほど熱いエネルギーを持っているんです。彼のスケートを見れば、炎がたぎっているのが伝わるはずです。技術的にも成長していますので、彼が彼らしく表現できるレベルに導いてあげたいですね。
(訳:まくりあ)
原文はこちらです。
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