ブライアン・ジュベール:トリノに続き不本意な成績
大ちゃんの銅メダル獲得に、沸きに沸いた日本と私自身ではありますが、心に引っかかる問題をひとつ解決しなければなりません・・・。
そう、ブライアンの悲しすぎる成績です。
ショート後の、
「こんな失敗は初めてだ。でも最後まで続けなければならなかった」
屈辱を噛み締めるコメントに胸を締め付けられましたよね。
思い出される直前の欧州選手権
なんかね、なんか凄く気になったのよ、ユーロのときの表彰台の顔付きが。
ずっと休まずクワドを跳び続けて、男子フィギュアスケート界が新システムに埋もれて衰退してしまわないよう牽引し続けて、ようやくこれまでの主張の正しさを証明できるオリンピックを迎えて。
そんな矢先に、
「オリンピックの金だけ獲りに戻ってきたよ」
と言わんばかりに直前復帰したプルとランビに、まんまと上を行かれてしまった訳です。
その二人がユーロの表彰台でハイタッチする姿を横目で見ながら、きっとオリンピックでは世界に君臨し続けたプライドが勝ることを証明する更なるモチベーションに結びつけているんだと思ってたんですけど・・・。
逆に作用しちゃったかと言えば、そうともとれるぐらいの無表情のジュベではありましたよね。
国内でのバッシング
ショート後の悔しいコメントと同時に発信されたのが、フランススケート連盟からの「傷口に塩」の声明でした。
フランスには世界トップクラスのコーチがいないので、ブライアン・オーサー氏やカート・ブラウニング氏に師事する手はずを整えたにも関わらず、長期に渡る海外生活が嫌だと言う理由でそれを拒み続けた練習不足の結果だ、「引きこもり少年」(home-bird)のなれの果てである、と。
・・・ひどい・・・ひど過ぎる・・・。
まだ挽回のフリーが残ってたんだよ~・・・。
昔から連盟とはあまりうまく行ってませんでしたよね。
本人も「リンク外で起きたプライベートな問題が原因」と言ってますが、これのことを言っているのか、それとも何か別に傷心の出来事があったから海外に飛ぼうと思えなかったのか。
ショートの『Rise』(Safri Duo)、フリーの『Ancient Land』(Ronan Hardiman)、どちらも全身に金メダルのオーラをまとった万全の態勢に見えたのに・・・。
傷心のブライアン、前を向く
でも、本人、新しい目標を掲げています。
今は何も考えられないだろうに、偉いっ。
I’m a boy not a man ― (International Business Times)
オリンピックでショート・フリー共に惨敗し夢をたたれたたブライアン・ジュベールは、子供から大人へと態度を改める必要があることを認めた。
4年前のトリノも失敗に終わったフランス人は打倒プルシェンコの最有力候補に挙げられていながら、バンクーバーでも苦杯をなめる結果となった。
「僕のやり方は間違っていた。誰のアドバイスも聞き入れなかった。自分のやりたいようにやりたかったんだ」
ジュベールは合計200.22ポイントでメダル圏外に終わったフリー演技の後、そう語った。
「この先のことを考えたい。いつまでも子供のままではいられない、大人にならなければ・・・。もう今までの自分ではない」
確かに今のジュベールは、2007年世界王者になった私たちが知ってる彼ではなかった。
フリーの演技では冒頭の4回転トゥループで態勢を崩す。起きあがるまでの数秒間は、氷に穴が開いてその中に消えてしまいたいと願うほど、長く感じられただろう。
その後も二度目の4回転が3回転となり、トリプルルッツではお手つきをする等、予定していた13個のジャンプのうち成功させたのは9個だけと言う散々な内容。
フリーの得点は132.22、思い出すのも辛いオリンピックとなってしまった。
ジュベールの前コーチでもあるフランス連盟会長、ディティエ・ガヤエ氏は、今回のことで25歳の青年は自分一人で責任を感じている、と説明する。
「ブライアンは本当はみんなを傷つけるような無責任な男ではない。昔の彼とは違う。十分な準備が出来なかったことで自信をなくしていた」
ガヤエ氏によると、
「オリンピックの2ヶ月前からではメダルに間に合うはずがない。これは最高のスタッフと海外でトレーニングをすることを彼が拒んだことが原因である。1日6時間の練習が彼には出来なかった。私はカナダの名匠、ブライアン・オーサーとカート・ブラウニングに師事するようずっと言い続けてきた。が、彼が地元ポワティエから出るのを嫌がったため実現しなかった」
ジュベール自身は厳しい練習を積んでいるので、バンクーバーに向けても良い調整ができていると信じていた。
「僕の心配事はリンクの外、自分の私生活から来たものだ。スケート以外の部分であまりにもエネルギーを消耗してしまった」
ジュベールは2012年まで競技を続行するつもりだと公言した。
「歯車が狂っていることはわかっていたが、臨機応変に対応することができなかった。やるべきことは判っているし、それが簡単ではないこともわかっている。間違いを認めることは辛かった」
(訳:まくりあ)
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