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【2008-2009】世界フィギュア国別対抗戦―2:豪華メンバーの女子フリー

2008-2009シーズンはまだ終わっていなかった!
世界フィギュアの敗戦を経て、浅田真央選手がバンクーバー五輪へのどえらい試金石を放った国別対抗戦を振り返ります。

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国別対抗戦、最終日

最終種目、女子フリー。

2日前のショートでの真央ちゃんの新兵器と惜しみない高得点。世戦からの溜飲を一気に下げ、痛快この上ない気分だった。長い長いトンネルをくぐり抜け、再び浮上してきたその場所は、みんなが注目していた地点よりも遙か先にワープしたポイントだった!!
スーパーマリオブラザーズみたい。


もともと『仮面舞踏会』には文句のつけようがない。
既に2つのトリプルアクセルが認定され(GPF)、感涙のトリブルサルコウも成功している(NHK杯)。

フリーには今季もう残された課題はないように思えた。後は楽しく、思い切り、滑ってくれればいい-。

最終グループの滑り

アリョーナ・レオノワ(RUS)

第一滑走は、ロシアのレオノワちゃん。
ジャンプがことごとく決まり、エネルギッシュな笑顔でフィニッシュする。
真央ちゃんと同じ18歳。バンクーバーの次のオリンピックでは米国の末恐ろしいティーンエイジャー達と世界を席巻しているでしょうか。

レイチェル・フラット、キャロライン・ジャンのアメリカ勢

その米国の16歳、フラットちゃん。
ロングエッジ2つ、回転不足も2つとられていたけれども、とても良い出来のように見えた。

続く更に年少の米国ジャンちゃん、15歳。
ようやく3-3が認定される。おめでとう~。踏切足が頭より高く上がるのには毎度驚かされるけど、ジャンプも飛べた、スピンは文句なしの高レベル。技術点では真央ちゃんをもしのいでいる。凄い。

このアメリカのおふたりが暫定1位をそれぞれとった時点で、日本のチーム優勝はなくなった。アイスダンスも男子シングルも優勝した上、これだけ素晴らしい演技をされたのだから、もう仕方なかった。

安藤美姫(JPN)

日本の安藤さん。
6分間練習のときに肩をおさえてモロゾフさんに何かしら訴えてた。何か問題発生したでしょうか・・・

3-3は回避し、果敢にも4サルコウに挑んだけど、回転不足で降りてきて痛そうな転倒・・・。
ジャンプは精細を欠いたけれども、最後まで綺麗に滑りきる。終了後の挨拶のとき肩を押さえる。痛くて滑れなかったのにガンバったね・・・

ジョアニー・ロシェット(CAN)

カナダのロシェットさん。

『アランフェス協奏曲』。
オールラウンドな彼女、今年のグランプリ・シリーズでしっかりと地盤ができてしまっているので、得点は否応なしに跳ね上がる

ロシェットさんが暫定1位となり、日本チームは銀メダルの可能性もなくなってしまった。

浅田真央(JPN)

さて、最終滑走、真央ちゃん。
ワルツのイントロを待つスターティング・ポーズ。体の中で三拍子を刻みながら息を吐き出すおちょぼ口が今シーズンのトレンドになりましたね。テレ朝で作った真央ちゃん人形も、この形の口になってましたっけ

「浅田真央の仮面舞踏会。最後の夜です」


グランプリ・フランス大会でほろ苦いデビューをしてからの、数々の演技が脳裏をよぎる(ノ_・。)。
スローパートがなく、最初から最後まで激しいリズムを踏んでいくこのプログラムが、始めは好きになれないかも知れないと思った。
無理難題を詰め込みすぎだと批判もされた。

だけど真央ちゃんは、信じて前を向いて来た。

2つのトリプルアクセル、ルッツの踏切矯正、サルコウジャンプの初披露。全速力で回らなければ回転数が足りなくなるほど変幻しまくる複雑なスピン、そして断末魔の叫びを表現した終盤45秒間のストレートラインステップ。
今、その全てに敬意を表したかった

-そして最後の夜は終わった。

2つ目のトリプルアクセルと2つ目のフリップが回転不足と判定され、終盤のダブルアクセルも珍しく減点対象となってしまったため、ラストダンスを滑りきった達成感を隠そうともせず喜びを爆発させた真央ちゃんの笑顔に得点が報いることはなかったけれども、念願の200点突破という目標は果たせた。

世界最高得点の更新、1大会3度のトリプルアクセル成功など、さまざまな新記録への挑戦と騒がれていたこのたびのフリーだけど、その達成は今でなくてもいいように思えた。

矢は放たれた。
1年後、バンクーバーの地でそれが標的のど真ん中に命中すればいいんだ

昨シーズンの世戦でも、フリーでは驚愕のパフォーマンスを魅せてくれた真央ちゃん。
いきなりトリプルアクセル踏切前の痛々しい転倒。誰もが滑走の続行さえ危ぶんだその中で、演技と音楽の中断を要求することなく、彼女は立ち上がった。
次に飛んだのはまさかの3フリップ-3トウループという大技だった!
沸き起こる大歓声。
逆境を乗り越えた彼女に送られたのは何よりのご褒美、ワールド・チャンピオンの称号。
そう、真央ちゃんはただでは転ばないのだ。

国別対抗戦、終幕

この国別対抗戦があって、本当に良かった。
今シーズンはオリンピック・シーズン前の最後の挑戦の年、と位置づけたにも関わらず、なかなか結果の伴わないタラソワ・チームへの批判は大きかった。もちろんタラソワ先生には勝算があるから全く気にしていなかったとは思う。でも矢面に立たされる真央ちゃんは可哀想だった。

でも今大会、今季の挑戦で得たものを形に出来たことで、それが間違いではなかったことを証明できた。荒川さんが解説で言ってたっけ。

「締めくくりの大会だけれども、来シーズンへの幸先良いスタートのように思えた」と。

もう来月にはオリンピック・プログラムの制作に取りかかるとのこと。
ジャンプの回転不足への規制が緩和されるということだけれども、ジャッジの判断に委ねる、っていう当たりが微妙で、すんごくグレーな気がする。
でも、きっと真央ちゃんなら、誰が見ても完璧な演技を目指してくるんだと思う。

観客の目にも、ジャッジの目にも。

女子フリーの結果。

Pl.  NameNationTSS
=
TES
+
PCS
+
SSTRPECHINDed.
1Mao ASADAJPN126.0362.1163.928.157.458.357.958.050.00
2Joannie ROCHETTECAN120.0858.6461.447.557.657.657.657.900.00
3Caroline ZHANGUSA116.8064.3252.486.456.206.756.556.850.00
4Rachael FLATTUSA113.4159.8153.606.506.556.856.756.850.00
5Alena LEONOVARUS106.6857.8848.806.405.706.406.006.000.00
6Miki ANDOJPN105.4450.2856.167.506.507.256.956.901.00
7Yan LIUCHN91.0549.6141.445.504.705.255.255.200.00
8Binshu XUCHN82.9640.9642.005.454.805.455.305.250.00
9Cynthia PHANEUFCAN81.3537.8345.526.005.255.505.905.802.00
10Candice DIDIERFRA78.0837.8841.205.454.805.155.205.151.00
11Gwendoline DIDIERFRA75.7742.0133.764.553.654.354.254.300.00
12Katarina GERBOLDTRUS69.6132.6140.005.304.654.805.205.053.00

総合結果は以下のとおり

FPl.NameNationPointsSPFSTeam
Points
1Mao ASADAJPN201.871112
2Joannie ROCHETTECAN182.162211
3Caroline ZHANGUSA175.684310
4Rachael FLATTUSA171.81549
5Miki ANDOJPN167.52368
6Alena LEONOVARUS161.40657
7Cynthia PHANEUFCAN135.65796
8Yan LIUCHN135.411075
9Binshu XUCHN133.26884
10Candice DIDIERFRA126.469103
11Gwendoline DIDIERFRA113.8712112
12Katarina GERBOLDTRUS112.0311121

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