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【2009-2010】欧州フィギュア選手権/ユーロ男子はもっとすごかった―FS編

これぞオリンピック前哨戦とも言えるべき、2010ヨーロッパ選手権 in TALLINN, Estonia。 男子の戦いは高難度の技あり、舌戦ありの実ごたえ十分なコンペとなりました。

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フリーもJSportsで生中継!

第1グループから生放送で流れてました、ヨーロッパ選手権男子シングル、フリー。
リアルタイムで観ていた方は、相当お好きな方ですねむふふ。

私も翌日仕事がなければ、目充血させながら観てたんでしょうけど(*^o^*)

男子フリー第3グループ

サミュエル・コンティスティ(ITA)

ゆっくり観戦の今日を迎え、それでもさすがに全部は見れないと思って勢いよく早送りしていたらば。
思わずリモコンの停止ボタンをグッと押したのは、第3グループ1番滑走のコンテスティさんでした。
奥様の振り付けによる民族音楽♪
どれもこれもがハッとする程美しい、非の打ち所のないジャンプ。
最後の3S-3Tの二つ目が、若干つまづき加減だったかなという以外は完璧な演技でした。
キスクラに座って気づきましたが、ランビさんと同じグルッター・コーチ。納得。
145.14。もっと出て欲しいぐらいでした。

アルバン・プリオベール(FRA)

2番滑走は、プリオベールさん
黒いTシャツにスパンコール付きの黒パンツ、黒い革の手袋といういでたち。
4回転行くのかなあと思ったら3回転どまりになってしまったトゥループから始まり、他の予定通りの3回転も揃ったんだんだけれどもコンビネーションのセカンドジャンプが2回転止まりだったこともあり得点は伸びませんでした。137点台。

ステファン・リンデマン(GER)

3番滑走にリンデマンくん
現役からは離れていたそうなのですが、なんかワールドでメダル獲った頃より筋肉増強されてる感が・・・。
あの頃のままに勢いよくクワドに突入しましたが、2回転で降りてきてしまいました。
133点台。

トマシュ・ベルネル(CZE)

4番滑走はベルネルさん
何故、第三グループなんかに・・・。
マリンルックで爽やかに決めたショートとはガラリと変わって七三分けのニヒルな男に。
『God Father』。
二度飛ぶと決めた4回転、まずは綺麗に回ったように見えたのに着氷の足が残念ながらグネってしまい転倒。
次は2Footとなってコンビネーションにならず。
諦めず次の見せ場3Aは美しく決めるも、2つ目はまさかのシングル・アクセルとなり・・・。
金メダル狙って欲しかったのに・・・130点台。第1採点と第2採点が15点も開くなんて、審判泣かせなんだから、もうっ。

クリストファー・ベルントソン(SWE)

5人ずつのグループなのでこのグループ最後となるベルントソンさん
何度も繰り返すシャッター音、そして鏡を見る仕草。
音楽は素敵なんだけど「ストーリー性がひとりよがりで伝わりにくい」と樋口先生バッサリ笑。ジャンプも殆ど決まらず・・・113点しか出ませんでした。

男子フリー最終グループ

さあ、いよいよ最終グループ。
身内のドキドキ感とは違う、ピーンとはりつめた緊張感は久しぶりです。

ヤニック・ポンセロ(FRA)

まずはショートでクワド決めて3位と絶好調のポンセロさん
凄まじい助走から失敗する筈もない、てくらい高い4回転、成功。かっこいー。
3Aも決まる。だけど二度目のアクセルはダブルに、あれれ。
『Sing Sing Sing』に乗って軽快にステップ踏むんだけど、どんどん息が上がっていく。
やりきった感と共に演技終了。137点のシーズンベスト更新。
リプレイで4回転見ましたが、3回転回ってるときまだ最高到達点に居るって感じでした。すごっ・・・!

ブライアン・ジュベール(FRA)

2番滑走、ジュベールくん
このイントロ・・・『Ancient Land』
鼓動を現す出だしの演技。
そっか、そうですか。このプログラムをオリンピック・シーズンに持って来ましたか。
曲も振り付けも、ヤグディン選手へのオマージュかと・・・なんか金メダルへの執念を感じますよね。
さあ、4回転の、まずはコンビネーションの予定だったでしょうか。トゥループだったのですが、残念ながらオーバーターン。恐らくは勝敗を左右すると本人も判っていた筈の次の4サルコウは、もっと残念な2回転止まりでのランディングとなってしまいました。
でもでも、決して諦めません。
3A-3T、完璧。
3Lz-2Tも決まる。
その後トリプルジャンプに僅かな着氷のぐらつきが続くんだけど、水平よりやや左手が高く上がるランディングポーズがいちいち格好いい。
かつて師匠がストレートラインで世界を席巻したあのメロディを、弟子・ブライアンはサーキュラーステップに姿を変えて舞います。
んー、まだパーフェクトにはほど遠い出来。147点じゃ本人も喜べないでしょうが、彼にとっては復帰戦。
バンクーバーには絶対照準合わせてくるわよねっ。

エフゲニー・プルシェンコ(RUS)

自分なき後、4回転時代を守り抜いてきた唯一の功労者・ジュベールに敬意を払いつつも、彼の出来次第で手持ちのカードを変えると公言していたプルシェンコさん、第3滑走。
クワドは1つで勝てると判断しましたね。
冒頭にショートのときと同じ、揺るぎのない4T-3T持ってきた時点で、決まった感はありました。
相変わらず、助走して飛んで、助走して飛んで、を繰り返し、あっという間に大技で加点成功。
唯一ルッツが2回転になりました。ロシア杯のショートでもありましたね。王者のアキレス腱?

『Tango Amore

加点が加点を呼び、164点が出ました。

ミハル・ブレジナ(CZE)

ベルネルさんからチェコの王座を奪い取ってしまった若武者ブレジナくん、19歳。

『パリのアメリカ人

一気に国を背負う立場となってしまいますが、天性の美しいジャンプをこの大舞台で惜しげもなく披露。アクセルにやや乱れがあり、145点と抑えめとなるも、新たなスターの誕生にユーロの会場は沸き返りました。

ステファン・ランビエール(SUI)

いよいよです、ショート5位と出遅れのランビくん。最終滑走。
新作、『椿姫

出だしはスローで。

なんとクワドをふたつ用意しているとのこと。既に優勝はないと思われるため、彼の復帰を祝い、絶対に素敵に決まっているプログラムにただ酔いしれようと、みんな一致団結(会場もお茶の間も・・・と勝手に推察)。
そんな受け身で見入っていると、なんとも攻撃的に4回転、飛んできました。トゥループ、だけどお手つき、ドンッ。
ひとつルッツを入れた後、次はコンビネーションに突入。
彼の4回転は時にショートサイドを使ってカーブを描いて行くので、スピードが足りるのかなとハラハラする。けれども、柔らかく着氷、更に2Tもしっかり入りました。wow!
優雅に舞いながら、次々と3回転が決まってゆく
今大会に限ってなのか、今シーズンの戦略として決定事項なのか、アクセルはまたもや予定通りの2回転。これが唯一の泣き所・・・。
さあ、メロディは『乾杯の歌』へと変わって興奮のるつぼ、ワルツに合わせてサーペンタインを踏んでくれる模様。
あれっ、いきなりここで転倒してしまうけれども、それもなかったことにできるほど素敵なステップ、そして全てを忘れさせる世界一のスピンへ。
キャードキドキと共に、フィニッシュ。160点が出て、銀メダルまで牛蒡抜きとなりました。
ステップでの転倒がなければ、レベルも上がったでしょうし、加点もあったでしょうし、deduction=1も消えたでしょうから、プルさん抜きもあったかも知れません。すごっ・・・!
ランビくんは、間に合わないんじゃないかと心配していましたが、思い過ごしでしたね。今期のプログラムはショート、フリーともに最高傑作です。
(あ・・・フラメンコといい勝負かしら・・・でも、四季も・・・結局決められないか笑)
優勝してくれたら尚のこと嬉しかったですけれども、正直勝敗なんてどうでもいいと思える程、彼の演技には満足してしまいました。

最終結果と談話

表彰台の顔ぶれは

金:プルシェンコ
銀:ランビエール
銅:ジュベール

4年間のブランクが一気に吹き飛ぶ、何とも豪華すぎる表彰式となりましたが、ひとり仏頂面のブライアンくん、いいですね~(笑)。ずっと現役で頑張ってきた彼にとっては、怪我開けで本調子ではないとは言え、到底笑えない結果です。
でも、岳斗さんも言ってましたが、

「プルシェンコを追う立場」の方がブライアンは格好いい♪

ご本人が聞いたら

「ふざけるなっ!」

と一喝されそうですが。
オリンピックでの戦いは、もっと格好いいことでしょう。
あ~、ゾクゾクするユーロでした。

メダリストの談話

金メダルのプルさん:

「ルッツがダブルになってしまうミスがあり、勿体なかった。後ろで3回転のルッツを入れたけれども、全部揃えなければ意味がない。(ショートのときと同様)ウォームアップのときに失敗した4-3を決められて良かった。おそらく体が覚えていてくれているので本番で飛べるのだと思う。こんなに長いブランクがあっても自分がまだ戦えることが何より嬉しい。オリンピックではもっと良い滑りをしなければ勝てないだろう。4回転は2つ入れたい」

銀メダルのランビくん:

「良い出来ではあったけれども完璧ではない。タリン入りしてからは調子が良かった。試合は大変だしレベルもとても高い。だから凄く緊張する。それは時としてプラスにもなりマイナスにもなる。今回銀メダルを獲ったことはとても自信になった。バンクーバーでは金メダルを狙う」

銅メダルのブライアンくん:

「フリースケーティングは凄く悔しかったけれども、準備不足だったのでしかたがない。やるべきことは判っている」

談話の元記事はこちら

この表彰台。
奇しくも、2006トリノ直前のユーロと、順位もメンツも全く同じだそうです!!

最終結果と公式プロトコル

男子シングルフリー、上位10名です。

Pl.  NameNationTSS
=
TES
+
PCS
+
SSTRPECHINDed.
1Evgeni PLUSHENKORUS164.0980.9983.108.507.658.458.408.550.00
2Stephane LAMBIELSUI160.7976.7985.008.458.258.358.708.751.00
3Brian JOUBERTFRA147.9068.1079.808.157.608.008.008.150.00
4Samuel CONTESTIITA145.4376.3369.106.856.607.056.957.100.00
5Michal BREZINACZE145.1472.5472.607.357.007.357.307.300.00
6Javier FERNANDEZESP138.3373.4364.906.456.106.556.656.700.00
7Yannick PONSEROFRA137.1263.1274.007.707.107.457.357.400.00
8Stefan LINDEMANNGER133.7668.7665.006.856.306.606.356.400.00
9Alban PREAUBERTFRA131.2464.8466.406.706.406.706.556.850.00
10Tomas VERNERCZE130.4358.0373.407.657.107.157.407.401.00

最終結果はこちら。

FPl.NameNationPointsSPFS
1Evgeni PLUSHENKORUS255.3911
2Stephane LAMBIELSUI238.5452
3Brian JOUBERTFRA236.4523
4Michal BREZINACZE224.7445
5Samuel CONTESTIITA221.3374
6Yannick PONSEROFRA219.5237
7Alban PREAUBERTFRA207.6169
8Javier FERNANDEZESP204.83136
9Stefan LINDEMANNGER203.9598
10Tomas VERNERCZE203.18810

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