まずは男子SPのおさらい
興奮の女子ショートが終わり、通常の製氷タイムを待てば、すぐに男子のフリーが開始となります。
まずは前日のおさらい、男子ショートの上位6人を見てみましょう。
PL. | 選手名 | TSS | TES | PCS | CO | PR | SK | Deduction |
1 | 三 宅 星 南 | 83.14 | 45.01 | 38.13 | 7.58 | 7.67 | 7.58 | 0.00 |
2 | 大 島 光 翔 | 79.87 | 42.85 | 37.02 | 7.42 | 7.58 | 7.17 | 0.00 |
3 | 織 田 信 成 | 78.09 | 39.96 | 38.13 | 7.50 | 7.75 | 7.58 | 0.00 |
4 | 吉 岡 希 | 74.26 | 38.22 | 36.04 | 7.25 | 7.00 | 7.33 | 0.00 |
5 | 杉 山 匠 海 | 73.69 | 39.31 | 34.38 | 6.83 | 6.83 | 6.92 | 0.00 |
6 | 友 野 一 希 | 68.49 | 31.48 | 38.01 | 7.42 | 7.67 | 7.67 | 1.00 |
1位はノーミス&GOEプラスONLYの三宅選手。演技後半にコンビネーション配置し、見事成功。これは強いですね。
2位は同じくオールGOEプラスで整えた大島光翔選手。
3位には貫禄の二巡目・織田信成選手。
織田信成選手。
男女豪華メンツに引き寄せられ、今回生観戦へと立ち上がった私ですが、最終的に強く背中を押されたトドメとなったのは「織田選手の滑りを見てみたい」という気持ちです。
あの、元祖猫足着氷は、健在なのか・・・?
4回転を再び見ることができるのか・・・?
彼の現役時代の活躍を知っている人ならば、誰でも今の姿を見てみたいはず、ですよね。
いざ、フリースケーティング開始
各グループごとに、印象に残った選手を。
第1グループ
菅原生成選手
「きなり」さん、とお読みします。
ファーストジャンプはことごとく右手を上げて飛ぶ、個性が光ります。
既に固定ファンもいらっしゃるようで、バナーも多数。人気が出るのもわかりますね。
松岡隼矢選手
スターティングポーズをとったとき、とても素敵な演技を予感しました。
最初に跳んだルッツ―トゥのコンビネーションがいずれも1回転。失敗というわけでもなさそうです。演技中ずっと右腕をお腹のあたりにあてて滑っていて、「ひょっとして脱臼でもしているのではないだろうか」という不安がよぎります。結局最後までジャンプは故意で1回転のみ。演技終了後、観客への挨拶でも、右手は上がりませんでした。怪我を押しての出場、だったのでしょうね。万全な状態の滑りを、次回是非見せていただきたいです。早く、回復されますように。
坪井聖弥選手
地元北海道、坪井選手です。
もう、出てきた瞬間から姿勢がよくて、美しい滑りをしてくれるという期待が高まります。ジャンプの軸が細く、フリップ/ルッツの跳び分け、お手本ね~と素人目に映ったのに、ジャッジの裁定はフリップ全て「!」マークとな。
曲は情熱の『ロクサーヌ』。
イーグル、イナバウアー、魅せてくれましたっ。
第2グループ
長谷川一輝選手
こちらも北海道代表。
3A、2つ入れてきました。ハイレベルです。3Lo-2A-2Aを狙ったであろうファーストジャンプが残念ながら1回転に。でも、全ての種類の3回転が組み込まれていて、見応え十分でした。スピンもとっても綺麗!
琵琶で奏でられる『Ambush from Ten sides』。曲調の盛り上がりとともに観客を引き込んでいく演技が魅力的でした。
壷井達也選手
このような滑走順で登場するので、ご本人ではないのではないかと一瞬思いましたが。ショートでは3回転倒してしまったのですね。
でも、フリーではご本人で間違いないことを存分に証明いたしました。
4S美技、3A-1Eu-3Sも美技、続く単独の3Aも然り。そのまますべてのジャンプを完璧に飛び、フィニッシュ!すごい、すごーーーーい!!
この日、私、初めてのスタオベを送りました。ブラボーです。
第3グループ
佐藤由基選手
QUEENメドレー『We Are The Champions』&『I Was Born To Love You』。選曲からして観客を一瞬に引き込みます。サルコウ、トゥともに3回転ですが、いずれも明らかに余裕があるので4回転イケるんじゃないかと素人目には。
何が原因かはわかりませんが、曲が完全に終わってしまってたのにスピンが大幅に残っていて本人苦笑い。私たちも笑顔で、ステキな演技に拍手。
第4グループ
来ました。豪華すぎてどこ見ていいかわからない最終Gの6分間練習。
中でも本日のメインイベント・織田氏には熱視線を送らねばと心する。
友野一希選手
ショートは不本意な演技だった模様で、1番滑走の友野くん。
冒頭の4T-3Tがドンピシャにはまります。美しい~。次の4Tもばっちり、4Sは少し不安定な感じ。でも4回転3つ入ったこの時点で、フリーは絶対トップに行くだろうなと確信。得意のアクセルもきっちり2本入り、それはもう他を寄せ付けない傑作を生み出しました。僅かなぐらつきがあった4S以外はノーミス達成です!184点!ズッコーンと雲を突き抜けて見えないところまで行ってしまいましたね。
この日、2度目のスタオベ参加です。
吉岡希選手
こちらも4T-3T、決めてきました。次の4回転は2回転・・・得点源を失う形に。しかしながら、その後の怒涛の攻め!3Aふたつ、ほかの3回転もバッチリ入り、印象よくフィニッシュです。
友野く、壷井くんが凄すぎたので、その2人は上回れませんでしたが、フリー3位につけました。
織田信成選手
来たわ、お目当ての織田選手。
1周目のあなたも応援してました。何より、世界的評価も高いジャンプが好きでした。
冒頭4T、挑んできました。てか、時空を超えて普通に決めちゃいましたね。2つ目は3回転になってしまいましたが、3Aもふたつ、綺麗に入ります。そのうちのひとつは「+1Eu+3S」つきのコンビネーション。軽やかです、相変わらず。
転倒2回、そこにいずれも回転不足判定が加わって、得点はあまり伸びず148点台。PCSもご本人1周目のときよりは評価抑えめですね。
全然体形が変わってなくて、ジャンプの印象も変わらなくて、自己管理能力の素晴らしさに感銘。グラデーションの衣装も素敵でしたね~、とにかく感動しました。このフリーで総合3位となります。
あぁ~、苫小牧まで行ってよかった!
三宅星南選手
ショート、ひとり80点台を出して、このメンツの中で首位折り返しとなった星南選手。このまま逃げ切りを図りたいところです。
冒頭4S転倒、苦しい出だしとなりますが、続く2つの3Aで盛り返します。後半の3ルッツ・コンビネーションで転倒、フリップも転倒。139点と、ショートのアドバンテージを守ることはできませんでした。
最終結果
フリーの成績、上位5名はこちら
PL. | 選手名 | TSS | TES | PCS | CO | PR | SK | Deduction |
1 | 友 野 一 希 | 184.14 | 98.39 | 85.75 | 8.58 | 8.67 | 8.50 | 0.00 |
2 | 壷 井 達 也 | 162.78 | 88.42 | 74.36 | 7.42 | 7.33 | 7.58 | 0.00 |
3 | 吉 岡 希 | 152.35 | 77.96 | 74.39 | 7.42 | 7.25 | 7.67 | 0.00 |
4 | 織 田 信 成 | 148.16 | 72.18 | 77.98 | 7.67 | 7.92 | 7.83 | 2.00 |
5 | 三 宅 星 南 | 139.64 | 67.88 | 75.76 | 7.50 | 7.67 | 7.58 | 4.00 |
国スポ独自の、都道府県別のチーム戦ということで、
1位・・・大阪(友野一希/織田信成)
2位・・・岡山(三宅星南/杉山匠海)
3位・・・埼玉(大島光翔/大中惟吹)
がベスト3となりました。
県別成績一覧はこちら
表彰式は入賞の8位まで。
2人ずつ呼ばれて出てきて、一芸を披露するという流れに、会場は笑いと拍手に包まれました。このときは場内での撮影が許された模様です。
ホスピタリティ5重丸の大会!
nepiaアイスアリーナ
会場となった苫小牧市は製糸業で繁栄した工業の町。
千歳空港から近く、札幌から各駅停車のJRに乗っても片道1時間半弱で行き来できる、道央に位置しています。
スポーツ好きのあなたには、2004年-2005年に夏の甲子園連覇を果たした、駒大苫小牧高校=通称コマトマがある町としても名が知れています。一度、コマトマを拝むためだけに、ここまで足を延ばしたこともある・・・私にとっては思い入れのある場所だったりします。
超方向音痴で地図が読めない女にとって、お初の場所はいつも難敵です。
苫小牧駅南口を出て、とにかく「らしき方向」に向かう。
横浜や東京なら、必ず人の流れがあるのでそれに便乗できるんだけど、誰もいない!
そしてここはスケートの町・苫小牧。
目的地以外のスケートリンクが目に入って、いちいちビビってしまう弱気な私。
めちゃくちゃ不安を抱えたまま闇雲に歩き進んだら・・・
あ!長光先生と星南くん!
あ!無良先生!
・・・と、存じ上げるお顔とすれ違い、これが正しき道っぽいことを確信して、安堵する。
この「nepiaアイスアリーナ」。
2019年から呼び名を新しくしたようなのだけれども、それまでの名前は「苫小牧市白鳥アリーナ」。
駅前の地図も昔の名称のまま記されているため、方向弱者の私には殊更に上級編。
それでも出発前にネットで見たアリーナの写真が助けとなり、無事目的地に到着です。
素敵!
白鳥の翼のオブジェと、ブロックの柱が印象的なおしゃれな建物です!
大会を盛り上げた選手とスタッフ
上記で熱弁したとおり、参加した選手たちはみなさん熱演され、お国別対抗ということで応援合戦も気合がこもっていました。フィギュアスケートって、コンペでは歓声は上がっても、なかなか掛け声は上がらない競技なので、仲間たちから出てくる応援の声はとても暖かく、新鮮に映りました。
驚くべきは入場料!
なんとなんと、これだけの設備と顔ぶれが揃っていながら、入場料は無料です!
ま、マジですか?と思いましたとも。
フィギュアと言えば、観戦チケットがお高いので有名でしょ、だって。
会場となったアリーナは4000名を収容できる立派な施設で、大型スクリーンもショートサイドに1基ずつ。私はこの日、競技開始から30分ほど遅刻しての入場となりましたが、特等席であるジャッジ側のブースは既に満席で、私は反対側のロングサイドに位置していました。リンク全体が見渡せる、体感18,000円~25,000円の席が、選び放題だったのですよ。交通費はそれなりにかかってしまいましたが、それでもお釣りのくる、贅沢な観戦ツアーとなりました。
客席のマナーも良かった
いわゆるメジャーな大会ではないものの、ここまで足を運んだだけあって、おそらくはフィギュアスケートの純粋なファンで、観戦歴も長い方々がお集まりになったと思われ。とてもお行儀よく、選手思いのマナーに満ち溢れていました。
「演技中の移動はご遠慮ください」
の看板がなく、制止するスタッフもいませんでしたが、ごくごく一部の方を除いては、フィギュアスケート会場の当たり前のマナーもしっかりと守られていて、快適かつ心地よい会場の雰囲気でしたね。
出店のクオリティがやばい
屋外にはキッチンカー、屋内にも売店がありました。
北海道名物「北寄貝カレー」!「北寄めし」!
ザンギに、おでん!
都会のアリーナでは逆にあまりお目にかかれない、ちょっとおしゃれなパンやスープ、コーヒーも売ってましたね。
お土産にして持ち帰られるものもありました。値段もお手頃。
何なら、炊き出しもしてくださっていた模様。私が見たときは、「提供終了」となってましたが。
私は、屋外キッチンカーのザンギを買いました。
揚げたてのアッツアツ、サクサクのザクザク、肉汁ぼわ~っ。特大サイズ3個入って600円でした。もちろん、美味!です。
成功裏に終了
繰り返しになりますが、選手たちの名演に心打たれた大会、でしたよね。
勝負に臨む意味合いは、それぞれ違ったとは思いますが、本当に観客と仲間に響き合う、ステキな試合でした。
普段、主催者の名前を気にしたことはありませんでしたが、お国が絡んでいたから?無料にも関わらず素晴らしいホスピタリティ!
集客数が国際大会とは違うので引き合いに出すのも酷とは思いますが、何万円も払ってトイレに長蛇の列、汚れた床、溢れたゴミ箱・・・なんていう見慣れた光景が一切なかったことも、帰り道の足取りを軽くさせてくれました。
選手のみなさん、関係者のみなさん、素晴らしい大会の運営と実行を、ありがとうございました!!
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