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【2009-2010】世界フィギュア男子シングルFS/最終グループは見応え抜群!

バンクーバー五輪が終わって1か月、イタリア・トリノで世界フィギュア選手権が開幕。
五輪のリベンジ組、花を飾る組、悲喜こもごもの男子FSとなりました。

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男子フリースケーティング

2010世界フィギュア選手権。
エヴァン・プル・ランビを欠いたけれども、本当に見応えのある最終グループで。

ジェレミー・アボット(USA)

ショート6位のアボットくんは、冒頭の4T。傾いた軸を空中で立て直したものの、結局その負荷に耐えきれず転倒・・・あいたた!
その後ダブルアクセルでも転倒してしまい、メダル争いからは脱落。
スケーターとして必要な筋肉は全て備えてます的な体つきがとっても見栄えのするアボットくん。成否の差もったいないです・・・が、有香先生と共に克服してくれることでしょう。
最終順位は5位でした。

小塚崇彦(JPN)

夢の舞台で世界の4回転ジャンパーに名乗りを上げた、小塚くん。
バンクーバーの再現!の4回転は、回りきったものの転倒。
おそらく失敗するイメージはなかったと思われ、予想外の展開に自分が一番驚いてしまったのかも知れません。
結局3Aをひとつも入れられず、得点もそれに見合うものとなってしまいました。
フリー12位、総合10位という結果。

ブライアン・ジュベール(FRA)

よもやあのどん底からひと月ばかりのこの大会で復活を果たしてくれるとは・・・夢にも思いませんでした。
レベルの取りこぼし、着氷の乱れ等、まだ癒しきれない傷跡を伺わせましたが、ショートで1度、フリーで2度クワドを決め、彼のプライドは確かにそこにあることを見せつけてくれました。
演技中何度も見せたガッツポーズ。
長きに渡って揺るぎのない技のひとつひとつにも、今なお感謝する気持ちを忘れないスポーツマンシップは、5年連続世界選手権表彰台達成という形で報われました。
ヨーロッパ選手権のときと同じ銅でしたが、あのときとはまるで違う、清々しい顔付きの表彰台でしたね。良かった良かった。

パトリック・チャン(CAN)

バンクーバーに続き、ミスがちらほら。
そしてバンクーバーに続き、どんより暗い諦めのキスクラ。
なのに、やっぱりバンクーバーに続き、観客もコーチも、本人さえも「えっ、いいんっスカ!?」と驚く高得点。ジュベ抜いて銀メダルに。

ミハル・ブレジナ(CZE)

今季一気にブレークし、あっという間にワールドのメダルまでを射程圏内ロケットに捉えたブレジナくん。
クワドはまだ6分間練習止まり?試合でのお披露目は来季以降かな。
しかしながら全てのトリプルは着氷時に余裕あり、の高さ。ふわ~っと浮いて細い軸で優雅に回る姿にはうっとりさせられまくりです。
『パリのアメリカ人』、小粋に演じる仕草も人々を魅了しますね。
今季GPシリーズでは60点台だったPCSも最終的には10点増の大幅UP
7点台後半がずらりと並ぶ一流選手の仲間入りです。
本人は大きくガッツポーズの高得点も、会場は「低すぎる」のブーイングが凄かったですねえ。
大丈夫よ、ヨーロッパの皆さん。来季には間違いなく来るから!

高橋大輔(JPN)

さあ24番滑走の大ちゃん。

6分間練習でベールを脱いだ、未曾有の大技、4フリップ!両足着氷だったけど、立ったという事実に世界は驚愕しましたとも。最高の演技を模索するため、4Tもお試し。
さてさて、本番ではどうする大ちゃん。

そして6分後に出した答えは・・・。
おそらく心の中でははっきりと決まっていたのでしょう。
世界初、4フリップに挑戦してきました!

ダウングレードされちゃったけど、両足で最後ぐりんってなっちゃったけど、着氷してくれただけでもう胸一杯で・・・。
産みの苦しみは、しかも初産の場合は、時間がかかるものです。次のいきみで無事安産にこぎ着けるだろうという確信を、誰もが感じ取ったことでしょう。(妊婦にしてゴメン、大ちゃん)

3A-2Tからは、安心しきって見ることができました。
女性審判が居なくて焦ったという、ジャッジ席に手を差し伸べるパフォーマンスも、男性審判相手に敢行(笑)。

圧巻だったのは、後半のトリプルアクセル。高さあったわ~。

そして大歓声の中、フィニッシュ。
最終滑走者の偉業に、パラベーラの観客は、いつまでも座ることを忘れていました、とさ。

試合終了

新・世界チャンピオン:高橋大輔

今シーズン見納めの『道』は泣きっぱなしでした。
嗚咽、嗚咽、嗚咽。
得点は、TES=81.90、PCS=86.50、TOTAL=168.40♪

OLでは物議を醸し、ついには決着を見ぬまま座礁していた「4回転論争」。
しかしながら、今回の大ちゃんのパッケージで、答えがはっきりと出たんじゃないですか。
4回転さえ飛べば何者にも勝ると豪語した人も、3回転だけでもてっぺんは獲れると計算した人も、二度とこの件に口を挟むことは出来なくなったことでしょう。
なんたって4回転挑戦して失敗しても尚、両者を上回る得点を、大ちゃんは叩き出しちゃったんですから。

小塚くんと織田くんも、これからが楽しみです。日本男子フィギュア界は、ジュニアシニア完全制覇というこれ以上ないシーズンとなりました。

みなさん、本当にお疲れさまでした。
そして有り難うございました。

男子シングル、フリースケーティングの結果

 Pl.  NameNationTSS
=
TES
+
PCS
+
SSTRPECHINDed.
1Daisuke TAKAHASHIJPN168.4081.9086.508.708.458.608.708.800.00
2Patrick CHANCAN159.4278.0282.408.358.158.158.308.251.00
3Michal BREZINACZE154.3177.2177.107.807.457.757.857.700.00
4Brian JOUBERTFRA154.0473.8481.208.357.808.158.058.251.00
5Adam RIPPONUSA151.3677.1674.207.607.207.507.407.400.00
6Jeremy ABBOTTUSA151.0577.1575.907.657.457.607.607.652.00

男子最終結果。

FPl.NameNationPointsSPFS
1Daisuke TAKAHASHIJPN257.7011
2Patrick CHANCAN247.2222
3Brian JOUBERTFRA241.7434
4Michal BREZINACZE236.0653
5Jeremy ABBOTTUSA232.1066
6Adam RIPPONUSA231.4775
7Samuel CONTESTIITA218.66811
8Kevin VAN DER PERRENBEL218.43109
9Adrian SCHULTHEISSSWE218.26127
10Takahiko KOZUKAJPN216.73412

さて次は不安満載の女子シングルだ・・・。

大波乱の予感よ・・・こちらは。

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