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【2009-2010】バンクーバー五輪フィギュア女子シングル/ショートプログラム

バンクーバー五輪フィギュアスケート女子シングルの戦いがいよいよスタートしました。
同じ年、同じアジアから生まれた天才少女2人の頂上決戦がいよいよ決着のときを迎えます。

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注目の女子シングル

真央vsヨナ、一騎打ちの頂上決戦

冬季オリンピックの華、女子フィギュアスケートがいよいよ開幕しました。

初対決のジュニア時代から共に世界中の話題も表彰台も独占し続けてきた真央ちゃんとキムヨナ。

今日迄抜きつ抜かれつ繰り返してきた歓喜と落胆の直接対決も、ここバンクーバーの地で待ち受けるたった一つの栄光を掴み取るためのほんの序章に過ぎなかったことを、誰よりも強くお互いがわかっている筈です。

そんな二人のライバル物語に遂に終止符が打たれることになります。

1月の四大陸選手権優勝後から、真央ちゃんは底抜けの明るさを取り戻していました。
周囲の雑音にも嫌な顔ひとつせず、前向きなコメントを丁寧に丁寧に繰り返していました。
そしてそれを裏付ける絶好調の練習風景。
バンクーバー入りの報道で満面笑みの真央ちゃんを見たとき、多くの人が「期待」から「確信」へとスイッチを切り替えたのではないでしょうか。

絶対にいける!と。

その戦いは、ショートプログラムの滑走順を決めるくじ引きから既に火花を散らしていました。

真央ちゃん22番滑走、キムヨナ直後の23番滑走。

公式練習も6分間練習も、嫌でも隣り合わせとなるアプローチ。
オリンピックの神様は決戦を待つ二人に、一切逃げ隠れすることのできない舞台を用意したのでした。

競技スタート!

日本時間2月24日昼。
第4グループのウォーミングアップが始まりました。

驚くべきことに真央ちゃんは3ループの練習をしていました。おそらく最悪の事態に備えた保険なのでしょう。真央ちゃんの覚悟と執念が、そこにはありました。

浅田真央(JPN)

12:54。
ハチャトゥリアンの『仮面舞踏会』が鳴り始め、演技スタート。

本人も、そして観ている私たちも、100%の自信を持って踏み切ったトリプルアクセル+ダブルトウループ成功!
続くステップからのフリップも優雅に着氷。

待ち望んだ五輪の舞台で今自分が最高の演技をしていることが徐々に判り始めたプログラム中盤、スパイラルで姿勢が整うと、顔を上げた真央ちゃんはこの日初めての笑みを見せてくれました。本当にそれは、驚く程まばゆくて切なくなる程に愛らしい極上の笑顔でした。

イーグルからのダブルアクセルを決めて、最高の見せ場、ストレートラインステップに突入。
このステップを完成させるために一体どれほどの修羅場をくぐり抜けてきたことでしょう。
苦楽を共にしてきたメロディに包まれ、スピン、そしてフィニッシュ。

ノーミス。

満場の拍手にせき立てられるようにこみ上げる涙とはやる気持ちを懸命に抑えながらリンクサイドに戻ると、タラママのビッグハグが待っていました。そしてキスクラで審判の時を待ちます。

73.78。

オリンピック史上、女子シングルのショートプログラムで初めてトリプルアクセルが達成された瞬間でした。
辿り着きそうで辿り着かなかったここまでの道のりも、その存在すら瞬時に忘れてしまえるほどの、それは当たり前の結果でありました。
真央ちゃん自身も「凄い!」と目を丸くした高得点。
この評価については思うところもたくさんありますが、今はとにかく、水を差すことなく、ポジティブな要素だけを繋ぎ合わせていたいと思います。

夢の舞台に立ち笑顔で演技する浅田選手(提供:共同通信)
引用元:日本オリンピック委員会

キム・ヨナ(KOR)

この真央ちゃんを抜いて首位に立ったのは直後に滑走したキム・ヨナ選手。
既に76点以上の価値があると認定済みの『007』を、いつも通りに完璧に披露、予想を遙かに上回る78.50点の高得点。
女子ショートの歴代記録を更に塗り替えました。

ジョアニー・ロシェット(CAN)

3位は同じく70点越えのロシェットさん。
真央ちゃんとの基礎点の差を加点で着実に埋め、僅差につけています。
フリーでは3サルコウを後ろにつけるビッグ・ジャンプシークェンスを持っています。
地元点も多いに期待できるこの舞台、ひたひたと忍び寄る足音が聞こえてきますね。

安藤美姫(JPN)

安藤さんの3-3挑戦には驚きました。
調子も良く、自信もあったのでしょうね。
一度も試運転することなくいきなり本番で・・・は、4年前の4回転にも通ずるところがあるような。
着氷は乱れたものの、認定で良いのではないかと思いましたが、ダウングレードであるとバッサリ。
続くフリップの減点も理由がよく判りませんが。
モロゾフコーチが自信を持って送り込んだ表現面も、上位3人には及びませんでした。
ただ、プレッシャーのかからない場所から、ゴール直前で抜き去るのも彼女の強みです。
ショート後は悔しさの滲み出る会見をしていましたので、フリーでは是非、3Lz-3Loと2A-3Tの大技を決めて欲しいと思います(予定していれば、の話ですが・・・)。

演技を終え、ほっとした表情(提供:アフロスポーツ)
引用元:日本オリンピック委員会

鈴木明子(JPN)

30人の選手のうち最も嫌な滑走順(by刈屋アナ)で登場の鈴木さん。
最初のジャンプでミスしましたが、冷静にプログラムを組み立て、最小限の傷口で滑り終えました。
61点越えは素晴らしい評価ですが、実力者ひしめき合うここはオリンピック。順位は11位、とかなり後退してしまいました。
ただ彼女の魅力的なマリアを持ってすれば、牛蒡抜きも夢ではありません。

早くもその舞台まで、24時間を切ってしまいました。

女子SP、11位となった鈴木選手のスパイラル(提供:共同通信)
引用元:日本オリンピック委員会

ショートプログラムの結果

上位11名の詳細結果です

Pl.  NameNationTSS
=
TES
+
PCS
+
SSTRPECHINDed.
1KIM Yu-NaKOR78.5044.7033.808.607.908.608.408.750.00
2ASADA MaoJPN73.7841.5032.288.257.408.408.108.200.00
3ROCHETTE JoannieCAN71.3639.2032.168.107.708.157.958.300.00
4ANDO MikiJPN64.7634.8029.967.707.007.607.507.650.00
5FLATT RachaelUSA64.6436.8027.847.006.607.056.957.200.00
6NAGASU MiraiUSA63.7637.0026.766.856.406.756.706.750.00
7KOSTNER CarolinaITA63.0233.3429.687.707.157.357.507.400.00
8LEONOVA AlenaRUS62.1433.9028.247.156.707.257.007.200.00
9GEDEVANISHVILI EleneGEO61.9235.8026.126.606.056.756.556.700.00
10LEPISTO LauraFIN61.3632.8828.487.206.807.257.157.200.00
11SUZUKI AkikoJPN61.0233.1027.927.256.707.056.956.950.00

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