お気に入り

ドラマ『青い鳥』(1997年)/ネタばれ・あらすじ・セリフをリフレイン―①

脚本・野沢尚氏、主演・豊川悦司さんの名作ドラマ『青い鳥』をリフレインしています。のどかで平和な田舎の風景から、衝撃のストーリーが展開。ネタバレ注意です。

  • footer_sns_tw
  • footer_sns_insta

柴田理森(よしもり・豊川悦司)は、まだ明け方の暗い道を自転車に乗って駅へと向かっていた。

長野県清澄駅。

幼い頃、大好きだった兄を川の事故で失った理森は、その兄の意志を受け継いで駅員となる夢を叶え、父・憲史(前田吟)が駅長を勤めるこの小さな駅で働いていた。
昼になると駅前の秋本食堂からいつものように出前を持って美紀子(永作博美)がやって来る。
幼なじみのよしみで、まだ独り身の理森に悪態をついてからかう美紀子であったが、
店を閉めた後は父と息子二人暮らしの柴田家に毎日料理を届ける献身さも持ち合わせ、
心の中では理森への隠しきれない想いをもう何年も募らせていた。

清澄では、華やかなリゾート地へと生まれ変わろうとする動きが浮上していた。
東京帰りの青年実業家、綿貫広務(佐野史郎)が、政治家である父・純一郎(仲谷昇)の地盤を継いで清澄へ戻ってきたのだ。
広務は理森の亡き兄・敬文とは同級生で、数年ぶりに戻ってきた清澄で理森と再会できたことを喜んだ。
政治家の息子として誰よりも秀でることを義務づけられた広務にとって、勉強でもスポーツでも群を抜いていた人気者の敬文は眩しい存在でもあり、そして今でも忘れられない思い出となっていたからである。

ある日、駅の待合室で「フランダースの犬」を音読する少女(鈴木杏)と理森は知り合う。
小学校3年生の詩織は、最近この田舎町に越してきたが、松本のお嬢様学校に通うため
毎日清澄駅から乗降車しているのだった。
詩織は理森を「駅長さん」と呼び、二人は互いに片親であるという境遇にも親近感を覚えすぐにうち解けた。
母親の迎えを駅で待つ詩織は、真っ赤なスポーツカーが駅に止まると、笑顔になって駆け寄った。
「ママ!」
車から降りてきた詩織の母親・かほり(夏川結衣)は、この質素な町にはそぐわない、目を見張るばかりの美しさだった。
詩織を介してかほりとも挨拶を交わすようになった理森の心に芽生えたほのかな恋心。
しかし、かほりは、広務が見初めてこの町に連れ帰った綿貫家の新妻。決して愛してはならない女だった。

かほりは前夫の暴力に怯えながら暮らしていたところを広務に救い出された。
広務は借金を肩代わりする見返りとして、前夫にかほりとの離婚を迫ったのだ。
かほりと詩織は綿貫家の人間として清澄へやって来たが、広務の父は、
水商売上がりのかほりを毛嫌いしていた。また、その連れ子である詩織には厳しい
躾を施し愛情のかけらも見せなかった。
かほりにとって広務との新婚生活はすさんだ過去から抜け出すための唯一の
救いであると信じたかったが、独占欲の強い広務の溺愛は息苦しいばかりで、
日に日に綿貫家での居場所を失っていった。

理森と詩織はますます仲良くなっていった。
駅のベンチで二人が交互にひとつのハーモニカを吹き合う姿を偶然目撃した広務は、自分にはまるでなつかない詩織が理森と親しげにしていることに嫉妬する。

「駅長さんって流れ星を見ても願い事をしない人なんだよ」

詩織から毎日話を聞くうちに、かほりにとっても理森はいつしか心のよりどころと
なっていった。

かほりは理森の当直の夜に足繁く駅へと通い、ついに二人は愛を確かめ合う。

その気配を、美紀子も、そしてかつて自分の妻を他の男に奪われた理森の父・憲史も敏感に感じ取っていた。

この小さな町は綿貫家の恩恵を受けて成り立っていると言っても過言ではなかった。

理森の将来を案じた憲史は、清澄を離れて別の駅へ勤務するようよう諭し、理森の暴走を食い止めようとした。

周囲の反応に怯んだ理森は気持ちを押し込めようと試みる。

しかし、かほりに男の影がちらつくことに激怒した広務が、詩織を綿貫の親戚に預けることを一方的に決め、母子の間を裂くという罰を下したことで決心を固める。

転校手続きに向かうかほりが乗った列車に、ホームで見送る詩織を抱き上げて乗せ、
二人の顔を見比べながら理森は言った。

「三人で暮らそう、な?」

理森、かほり、そして詩織を乗せた列車は、そのま清澄の町を後にした。

人気ブログランキングに参加しています

閲覧くださり、ありがとうございます。
以下のリンクボタンを押すだけで、当記事に清き1票が投じられる仕組みになってます。リンク先には他の優良ブロガーさんたちの関連記事も掲載されてますので必見ですよ。

  • footer_sns_tw
  • footer_sns_insta

関連記事