大会概要のおさらい
大会名称:バレーボールネーションズリーグ2024
1年に1度、世界のトップチーム男女16チームのみが出場する大会。
- 予選ラウンド→各チーム12試合を戦う
- ファイナルラウンド→予選ラウンドの上位7チームならびに開催国の計8チームでトーナメント
男子参加16チーム
アルゼンチン、ブラジル、ブルガリア、カナダ、キューバ、フランス、ドイツ、イタリア、イラン、日本、オランダ、ポーランド、セルビア、スロベニア、トルコ、アメリカ
女子参加16チーム
ブラジル、ブルガリア、カナダ、中国、ドミニカ共和国、フランス、ドイツ、イタリア、日本、韓国、オランダ、ポーランド、セルビア、タイ、トルコ、アメリカ
予選ラウンド
【男子開催地】
- 第1週(5/21~5/26)・・・トルコ/ブラジル
- 第2週(6/4~6/9)・・・日本福岡/カナダ
- 第3週(6/18~6/23)・・・スロベニア/マニラ
【女子開催地】
- 第1週(5/14~5/19)・・・トルコ/ブラジル
- 第2週(5/28~6/2)・・・中国マカオ/アメリカ
- 第3週(6/11~6/16)・・・中国香港/日本福岡
ファイナルラウンド
【男子】
- 日程:2024年6月27日~30日
- 開催地:ウッチ(ポーランド)
【女子】
- 日程:2024年6月20日~23日
- 開催地:バンコク(タイ)
男子、ファイナルラウンド出場を懸けたオランダ戦
ここからは6月21日に行われた、男子「日本vsオランダ」の戦いをレビューしていきます!
まずは現時点の順位を確認
試合前、日本は世界ランキング4位。
上位にいるのは、1位:ポーランド、2位:イタリア、3位:スロベニア。
この大会、対戦相手がランキング上位か下位かによって試合後のポイントが複雑に加減されるので、各国のランキングがめまぐるしく、ときには大幅に入れ替わることになります。
日本は第3週マニラに入った時点でランキングは3位でした。しかし、1戦目のカナダにフルセットの末敗れ、一気に5位へ転落。
しかし、2戦目のオランダ戦を目前にして、ブラジルが敗戦したことを受け4位に浮上したわけです。
そして本大会、日本の通算成績は6勝3敗、順位は7位となっています。
第1セットのスターティングオーダー
アウトサイド:14石川、5大塚
ミドル:2小野寺、10高橋健太郎
セッター:8関田
オポジット:1西田
リベロ:13小川
髙橋藍選手はこの日、登録メンバーを外れています。
注目はアウトサイドヒッターに大塚選手、ミドルブロッカーに高橋健太郎選手、リベロに小川智大選手が起用されたこと。
対戦するオランダチームとは
世界ランキング13位。
今大会、暫定ベストスコアラー・ベストアタッカー・ベストサーバーの三冠であるオポジット、ニミル・アブデル=アジズを擁する。
監督はロベルト・ピアッツァ。セリエAミラノで采配を振るっていた指揮官、石川選手の元恩師。
そうよ、ニミルさんのいるチームだったわね。
ニミルさんは、なんとなんとなんとなんと、ウルフドッグス名古屋に新加入することが先日発表されたばかり!
髙橋藍選手はサントリーサンバーズでしょ・・・。
V.LEAGUEはすんごいことになりそうですよね。
第1・第2セット日本連取
今や母国開催以上の日本フィーバーが起こるフィリピン。
前の試合、格下相手のカナダに敗戦を喫し、幸先良い船出とはならなかった日本。
それでもチームは冷静に敗因を分析し、次の試合で何をすべきか選手ひとりひとりがハッキリとしたビジョンを持ってオランダ戦での立て直しを公言していました。
「試合の入りが大事」というその言葉通り、第1セットは日本が抜け出します。
石川・西田の両エースに加え、この日スタメン抜擢の高橋健選手がクイックにブロックに大車輪の活躍。同じくスタメン起用の大塚選手もクレバーな攻めを見せます。
終始リードを保って第1セット終盤。
23-18の局面で、ピンチサーバーに20歳の甲斐優斗選手。
1ブレーク後、セットポイントでの第2打で、サービスエース!
日本チーム、会心の出だし。
第2セットも日本は優勢にゲームを進めます。
ここでは日本とオランダのエースが空中戦を繰り広げます。
石川選手vsニミル選手のスパイク/ブロックの攻防は見応えありました。
この日、決して本領発揮とはならなかったニミル選手ですが、脅威のサーブでエースをとること2回。今大会ベストサーバーぶっちぎり首位の力と技で、意地を見せます。
勝負の第3セット劣勢の序盤
オランダチームはニミル選手を温存。
このまま日本が突き放すと思われましたが、序盤はオランダがリードを奪います。
日本はサイドアウトがとれず、苦しい状況が続きます。サービスエースを許し、スパイクミスを犯し、スコアは6-11と5点のビハインド。
この逆境の中、石川選手が決めた鮮やかなバックアタックで戦況は一転。日本は息を吹き返します。
石川選手の放った光は、一瞬で選手たちに伝播。その恩恵をいちばん浴びたのは西田選手でした。目の覚めるような豪快なスパイクを次々と決め、オランダにタイムアウトを取らせます。
逆襲のゲーム中盤
タイム明け。
西田選手のサービスエースで1点差に詰め寄ると、小野寺選手のブロックで遂に同点に追いつきます。13-13。
こうなると西田選手はもう止まりません。オランダコートの中央に突き刺さるノータッチエースを2本立て続けにお見舞い!次のサーブではオランダチームが痛恨のアウトオブポジションで更に日本のポイント。尚も西田選手が放ったバックアタックは大ふかしのように見えたものの、しっかりワンタッチを取っていました。
スコアは17-13に。
関田選手に代わって宮浦選手がコートイン。
入った途端にやってくれます、まずはスパイク。その後はサーブでオランダチームを連続で崩す、大活躍!
いよいよクライマックス
試合はいよいよクライマックスを迎えます。
石川選手のサービスエースで23-17。
日本24点目を懸けた展開では、長いラリーが続きます。ここでオランダ・アキ選手の放ったスパイクに日本ブロック陣は手を引いてアウトを誘い、この駆け引きを制します。
いよいよマッチポイント。
またしてもラリーが続きます。
日本はブレークできず24-19、サーブで崩されダイレクトスパイクに失点24-20。
サーブはサウスポーのケーミンク。今日、ケーミンクに日本はやられています。
ここで日本タイムアウト。
タイムアウト中、別会場で行われているポーランドvsアルゼンチンでポーランドが勝利し、日本がこのまま勝利すればファイナルラウンド出場が決まることが報じられます。
タイム明け。
再び激しいラリーの応酬。
大塚選手が2本続けてブロックに遭うも日本懸命にリバウンドフォロー。西田選手が石川選手の二段トスを苦しい態勢で打つも相手にチャンスボール。オランダのスパイクを日本もブロック、繋ぎきれずに今度はチャンスボールが日本のコートに戻ってきます。
1本目をアンダーパスで拾ったのは関田選手。上がったボールの先には石川選手。
ジャンプした石川選手の態勢を見て、
フェイクセット、出るか―!?
と会場中が固唾を飲む中、最高到達点に達した石川選手、渾身のバックアタック!!
オランダの前衛、想定外のプレーにノーブロック。
ボールは後衛クープス選手の肩に当たって大きく弾き飛ばされました。
25-20、日本勝利
印象に残ったプレー
高橋健太郎選手のクイック&ブロック
冴えていました、健太郎選手。
この日、8得点。
「オランダ戦のデータはしっかり入っていたので、関田選手と擦り合わせながらやったことがうまくいった」
彼が活躍すると、チームの士気が鼓舞されるので、それがドンピシャにハマりましたね。
大塚達宣選手のフェイクセット
石川選手や髙橋藍選手だけじゃない、大塚選手からも生まれました。
チームも会場もお茶の間も、めちゃくちゃ盛り上がりましたね。
オフェンスでも大活躍、アウトサイドヒッターに大塚あり、を強く印象付けました。
オランダ・ニミル選手
ベストスコアラー/ベストアタッカー/ベストサーバーで単独首位ってすごくないですか?
しかも全てぶっちぎりなんですよ。敵ながら天晴と言いつつも、日本でプレーすることが決まってるので、早くも身内感満載です。
この日はアタックの決定率で不本意だったとは思いますが、サーブが相変わらずヤバかったです。エース数32から日本はプラス2を献上し、記録34まで伸ばしています。
石川祐希選手
カナダ戦で徹底的にサーブで狙われ、オフェンスでもブロック狩りに遭った記憶がいまだ生々しかったオランダ戦。それでも世界のエースは驚異の修正力を見せました。
チームが苦しいときには一撃で力を与えるプレーが随所に光りましたね。
圧巻はなんといってもマッチポイントのバックアタックです。
あれには、
「オわっ!!」
とかいう、変な雄たけびを上げてしまいました。
永久保存版の雄姿&美技でした。
日本男女ともに、ファイナルラウンドへ
メダルを狙う日本男女共に、出場が決まりました。
ここからはトーナメント。
女子は既に準々決勝、対中国戦をストレートで制し、本日6月22日(土)22:30(日本時間)よりブラジルとの準決勝を戦います。
別の山では、イタリア対ポーランドのカードで19:00より準決勝が行われます。
男子はフィリピンRで残る2試合、対フランス戦(6/22 20:00~)、対アメリカ戦(6/23 20:00~)で、更なる上昇気流に乗りたいところです。
放送はTBS系、配信はU-NEXT
【TBS系列+BS-TBS】
番組情報は以下のとおり。
【U-NEXT】
配信の詳細は以下のとおり。
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