桜の咲き誇る季節、競泳陣の戦いが決する
2016年4月8日金曜日。 人生初の競泳生観戦。
開場となる東京辰巳国際水泳場は東京メトロ有楽町線の辰巳駅下車徒歩10分ほど。夜桜の絶景を眺めながら歩いていきます。
ようやく会場が見えてきます。
会場の外周には前日までにリオ行きを決めた選手がパネルになり掲示されていました。
会場に入ると
おーっ。
おおーっ。
臨場感、ハンパない!
いよいよ競技が始まる!
当日のスケジュールはこのとおり。
まず準決勝
200米背泳ぎには入江選手が。
200米混合には萩野選手と瀬戸選手が。
それぞれ順当に決勝へと駒を進めました。
200米混合準決勝1組目に登場した瀬戸選手が最後の50米で自由形に泳法を変えた瞬間、あまりのカッコよさに全身鳥肌が立ちました。
これが最も早い泳法・クロールなのね~・・・と。
そして決勝
決勝種目は男子100米自由形から始まりました。
競泳の花形種目であり、それでいて日本の現記録保持者はイケメンと謳われている中村克くん。更に言うなら現世界チャンピオンは同じアジア・中国よりモデル越えの容姿を誇る国民的アイドル、ニン・ザータオ選手。私的には大注目のカテゴリとなります。
派遣標準記録はこちら。
昨年のカザン世界水泳選手権でのこの競技では、銅メダルが48.12、4位が48.19でしたから、まさしくオリンピックでのメダルを狙う設定タイム。
さて、白熱のレースの結果は・・・。
なんと前述の中村克選手が再び日本記録を更新する48秒25のタイムで優勝しました!
プールサイドに「日本新記録」の文字が映し出され、
電光掲示板には花火が。
48.16を突破した選手はいなかったため個人種目ではリオ出場は叶いませんでしたが、上位4選手による400米リレーの出場権が与えられました。
おめでとうございます。
北島選手の登場
さてレースは進み、最後の決勝種目、200米平泳ぎの開始がアナウンスされます。
会場は異様な空気に包まれます。
第3コース、北島康介選手の名前がコールされると「コースケー!」という声援が地鳴りのように響きました。
嵐のような声援は選手が飛び込み台に立った瞬間、張りつめたような静寂に変わりました。
ピストルの合図でレースがスタート。
北島選手は50米、100米、150米、全てのラップを2位のタイムで折り返します。
特に最後の150米のターンで電光掲示板の北島選手の横に「2」の数字が掲示されると会場中から大きな歓声が沸き起こりました(五輪出場は上位2名かつ派遣標準記録クリア)。そこからの50米はずーっと止めどもなく「コースケ・コール」が。
「いけるぞー!」
・・・ところが。
ついにとなりの4コースの渡辺選手に捉えられてしまいます。もう一度抜き返すことを信じて、私たちは声援を送り続けます。
それでも、北島選手が再び2番手に上がることはありませんでした。
中央の3コースしか見ていなかったため気付きませんでしたが、最終的には5位という結果。
誰も五輪行きを決めることができなかった男子100米平泳ぎは自宅のテレビで見ていましたが、会場中がシーンと静まり返ったのを記憶しています。
でもこの200米ではレース直後から大きな拍手が鳴りやみませんでした。
プールサイドに上がった北島選手は客席に向かって両手をあげ、360度から降り注ぐ万雷の拍手に包まれながら引き揚げていきました。
新たな名言を残す、インタビュー
会場では派遣標準記録を見事突破してリオ行を決めた小関選手と渡辺(一)選手、そして3位に入った渡辺(隼)選手の表彰式が始まりました。
あとでテレビを見てわかったのですが、その華やかなセレモニーをバックに北島選手はインタビューを受けていたんですね。
この中のどこかで、新たな名言「だって泣いてるんだもん、インタビューの人が。ずるいでしょ」を生み出していた訳です。
北島・・・くん?お疲れ様でした!
私的には「北島選手」の方が呼びやすいのですが、冒頭で「北島くん」と表現したのは、(今回初めて知ったのですが)競泳で選手名をコールするとき、男性は敬称が「くん」だったからなんです。若い選手がもちろん多いですが、老いも若きも「くん」付けというのは興味深かったです。
表彰台に上がるときのコールも「くん」、これがなかなか違和感がありましたけれども、できればそこで「北島くん」と呼ばれる瞬間を聞きたかった・・・。
と、往生際悪くするのも申し訳ないほど、北島選手の最後の勇姿は立派で、競泳ファンの涙を誘いました。
日本選手権最終日の今日、スーツ姿で引退会見に臨んだ彼も本当に素敵でした。
北島選手、今までありがとうございました&お疲れ様でした!