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トリノ五輪のプレシーズン、大きな節目の新しい幕開け
6月9日、フィギュアスケート・グランプリ大会の出場選手と会場が発表になりました。
男子シングルは長年このカテゴリーの頂点に君臨した宇野昌磨選手が現役引退を表明。先んじて行われた世界選手権ではアメリカのイリア・マリニン選手が驚愕のフリーで初制覇するなど、大きな時代の流れを感じさせる2023-2024シーズンの幕切れとなっています。
そして開幕が待たれる2024-2025はイタリア・トリノ五輪のプレシーズン。
新しい勢力と、実力者たちの熾烈な戦いが見られそうです。
4ヶ月後にアメリカ大会でスタートするグランプリ・シリーズ、男子シングルと女子シングルの注目選手を中心にご紹介してまいります。
第1戦:アメリカ杯
日程:2024年10月18日〜20日
会場:テキサス州アレン市
男子シングル
- 三浦佳生(JPN)
- 島田高志郎(JPN)
- 吉岡希(JPN)
- ケビン・エイモス(FRA)
- デニス・バシリエフス(LAT)
- イリア・マリニン(USA)
女子シングル
- 青木祐奈(JPN)
- 樋口新葉(JPN)
- 渡辺倫果(JPN)
- ニーナ・ピンサローネ(BEL)
- イ・ヘイン(KOR)
- ユ・ヨン(KOR)
- イザボー・レビト(USA)
- ブレディ・テネル(USA)
ペアとアイスダンス
ペアには日本の三浦璃来&木原龍一組が登場!
アイスダンスは日本人カップルのエントリーはありません。小松原組、引退ですものね。
第2戦:カナダ杯
日程:2024年10月25日〜27日
会場:ノバスコシア州ハリファックス
男子シングル
- 佐藤駿(JPN)
- 山本草太(JPN)
- チャ・ジュンファン(KOR)
- ジェームス・ブラウン(USA)
- イリア・マリニン(USA)
女子シングル
- 松生理乃(JPN)
- 坂本花織(JPN)
- 吉田陽菜(JPN)
- キム・イェリム(KOR)
- エカテリーナ・クラコワ(POL)
- アリサ・リウ(USA)
ペアとアイスダンス
日本人カップルのエントリーはありません。
第3戦:フランス杯
日程:2024年11月1日〜3日
会場:アンジェ
男子シングル
- 島田高志郎(JPN)
- 友野一希(JPN)
- 金博洋(CHN)
- アダム・シャオ・イムファ(FRA)
- ミハイル・シャイドロフ(KAZ)
女子シングル
- 樋口新葉(JPN)
- 三原舞依(JPN)
- 住吉りをん(JPN)
- ルナ・ヘンドリックス(BEL)
- ニーナ・ピンサローネ(BEL)
- アナスタシア・グバノワ(GEO)
ペアとアイスダンス
日本人カップルのエントリーはありません。
第4戦:NHK杯
日程:2024年11月8日〜10日
会場:東京
男子シングル
- 鍵山優真(JPN)
- 三浦佳生(JPN)
- 未確定(JPN)
- スティーブン・ゴゴレフ(CAN)
- マッテオ・リッツォ(ITA)
- ジェーソン・ブラウン(USA)
- 樋渡知樹(USA)
女子シングル
- 千葉百音(JPN)
- 坂本花織(JPN)
- 未確定(JPN)
- キム・イェリム(KOR)
- イ・ヘイン(ITA)
- エカテリーナ・クラコワ(POL)
- アリサ・リウ(USA)
- ブレディ・テネル(USA)
ペアとアイスダンス
ペアには2組!
三浦璃来&木原龍一組、長岡柚奈&森口澄士組。
アイスダンスも2組登場します!
田中梓沙&西山真瑚組、吉田唄菜&森田真沙也組。
第5戦:フィンランド杯
日程:2024年11月15日〜17日
会場:ヘルシンキ
男子シングル
- 鍵山優真(JPN)
- 友野一希(JPN)
- 山本草太(JPN)
- ケビン・エイモズ(FRA)
- ダニエル・グラスル(ITA)
- チャ・ジュンファン(KOR)
女子シングル
- 松生理乃(JPN)
- 三原舞依(JPN)
- 吉田陽菜(JPN)
- ルナ・ヘンドリックス(BEL)
- ユ・ヨン(KOR)
- イザボー・レビト(USA)
ペアとアイスダンス
日本人カップルのエントリーはありません。
第6戦:中国杯
日程:2024年11月22日〜24日
会場:重慶
男子シングル
- 佐藤駿(JPN)
- 金博洋(CHN)
- アダム・シャオ・イムファ(FRA)
- ミハイル・シャイドロフ(KAZ)
- デニス・バシリエフス(LAT)
女子シングル
- 千葉百音(JPN)
- 住吉りをん(JPN)
- 渡辺倫果(JPN)
- アナスタシア・グバノワ(GEO)
ペアとアイスダンス
日本人カップルのエントリーはありません。
グランプリ・ファイナル(ジュニア&シニア)
日程:2024年12月5日〜8日
会場:中国・北京
注目選手たち
男子シングル
鍵山優真
昨季世界銀メダリスト、2022年北京五輪銀メダリスト。
コーチ:鍵山正和、カロリナ・コストナー
トゥ、サルコウ、フリップと3つの4回転を持つ。GOEが高く、3〜5の評価を得てポイントを爆上げするタイプ。PCSもすでに9点台半ば。イリア・マリニンと肩を並べられる最右翼の日本人選手。
今季は第4戦NHK杯と第5戦フィンランド杯にエントリー。
登場が待ち遠しいですね。
三浦佳生
2022年世界ジュニア金メダル、2023年四大陸金メダル。
コーチ:佐藤紀子、福井信子、岡島功治
俊敏な助走から速度を緩めず飛ぶ豪快なジャンプが魅力のスピードスター・三浦佳生選手。
トゥ、サルコウ、ループと3つの4回転を持つ。
すでにシニアでも世界のメダリストにまで上り詰めましたが、えげつない層の日本にあって全日本の表彰台はまだありません。グランプリ上位とともに、日本のてっぺんも狙ってくることでしょう。
今季は第1戦アメリカ杯、第4戦NHK杯にエントリー。
佐藤駿
2020年ジュニアグランプリ金メダル、2024年四大陸選手権銀メダル。
コーチ:日下匡力、浅野敬子、無良崇人
日本が誇る4回転ジャンパー。
トゥ、サルコウ、フリップ、ルッツを持つ。
今季の新プログラム、
ショート『ラヴェンダーの咲く庭で』
が発表されています。
第2戦カナダ杯、第6戦中国杯にエントリー。
友野一希
2017年世界選手権5位。過去シニアで3回、ジュニアで2回、世界選手権の代表に。
コーチ:平池大人、杉田由香子、ミーシャ・ジー
ジュニアの頃から4回転サルコウを飛ぶ4回転ジャンパー。現在はトゥとサルコウを飛び、3アクセルには絶対の自信を持つ。
高い技術と共に、コンペでもエキシビション並みのエンターテイメント性を発揮する稀な選手。
今季は第3戦フランス杯と第5戦フィンランド杯にエントリー。
山本草太
2022年グランプリファイナル銀メダル、2023年四大陸選手権4位。
コーチ:山田満知子、本郷裕子、村上友季子
二度の大けがを負って復活を期した悲劇のプリンスの異名はもはや過去、今では4回転ジャンプと抜群のスケーティングスキルを以て世界の表彰台を狙えるトップ選手へ立場を変えました。
4回転と4回転を含むコンビネーションの安定感は抜群。今季は4回転フリップをショート、フリー共に組み込むことを目指しています。表現の幅もグンと広がりますね!
第2戦カナダ杯、第5戦フィンランド杯にエントリーです。
島田高志郎
2022年全日本選手権銀メダル。
コーチ:ステファン・ランビエール、Robert Dierking、アンナ・ベルナウアー
ノービス時代から抜群の表現力を放ち、15歳で単身スイスに渡り、ステファン・ランビエールの師事を仰ぐ。4回転はトゥとサルコウを持つ。
今季のプログラムは、
ショート『君の瞳に恋してる』/フリー『死の舞踏』
と既に発表されています。
『君の瞳に恋してる』・・・絶対いいに決まってる!
『死の舞踏』・・・サンサーンスの方です。ん~、シビれる!
第1戦アメリカ杯、第3戦フランス杯にエントリー。
吉岡希
2023年世界ジュニア銅メダル、同ジュニアグランプリファイナル銅メダル。
コーチ:淀粧也香、長光歌子、田中刑事
ジュニアの頃から美しい4回転を持つ。
4回転トゥは単独と、+3回転トゥのコンビネーションも試合では成功済み。
昨季の全日本選手権では、ヤバすぎた怒涛の男子フリーの中で、口火を切るノーミス演技を見せました。
今季は第1戦アメリカ杯のみのエントリー。
イリア・マリニン(USA)
現世界チャンピオン。
コーチ:タチアナ・マリニナ(母)、ロマン・スコルニアコフ(父)
4回転アクセルを世界で初めて成功させた人。
ただひとり、別次元の高さでジャンプを飛ぶ、自他共に認める「4回転の神」。フリップ以外の全ての4回転を持つ。
4回転アクセルを手中にしてもPCS抑えめなことがネックでしたが、昨季の世界選手権でついに9点台を揃えました。安定した技術力でPCSを引き寄せるタイプ・・・そう、同国の先輩ネイサン・チェン選手のように。
やはりスポーツである以上、高い技術を見られるのは醍醐味です。今季も彼の活躍が楽しみでたまりません。もう、どこまで行っちゃうんだろうね君は・・・。
第1戦アメリカ杯、第2戦カナダ杯・・・と北米でさっさと登場を済ませてしまうのね。
アダム・シャオ・イムファ(FRA)
2024年世界選手権銅メダル。
コーチ:セドリック・ツアー、ルドルフ・マレシャル、ブノワ・リショー
恐るべき身体能力と独創性の塊、アダム選手。
安定した4回転を手に入れて、昨季大化けに化けました。
彼の無言の抗議が功を奏したのか、バックフリップが今季から無罪放免となったようで。
ますます力を増しそうなアダム選手です。
第3戦フランス杯、第6戦中国杯にエントリー。
チャ・ジュンファン(KOR)
2023年世界選手権銀メダル。
コーチ:池炫靜
評価の高い4回転サルコウと、オリジナリティ高い3回転ルッツ+3回転ループのコンビネーションが売りのジュンファン選手。
昨季は少し順位を落としましたが、今季は300点倶楽部の仲間入りが期待されますね。
第2戦カナダ杯、第5戦フィンランド杯にエントリー。
女子シングル
坂本花織
2022年北京五輪銅メダル、2022~2024世界選手権3連覇中。
コーチ:中野園子、グレアム充子、川原星
2026年トリノ五輪までは無敵かと思える坂本さん。
スピードと高さに長け、「アスリート」肌。
高難度ジャンプに挑むより、完成度で他を圧倒する方針にシフトチェンジして今の地位を築いた彼女。今季は4回転ループに挑戦との報道も出ています。
第2戦カナダ杯、第4戦NHK杯にエントリーです。
三原舞依
2022年グランプリファイナル金メダル、2023年世界選手権5位。
コーチ:中野園子、グレアム充子、清水麻里江
清楚ないで立ちとパワフルなスケーティングが人気の三原選手。毎年心にぐっとくる素敵なプログラムをわたしたちに届けてくれます。彼女がリンクに立つと、会場もお茶の間も、息をするのを忘れるくらい引き込まれるのですよね。
世界選手権での表彰台が待たれるところですが、まずはグランプリ、第3戦フランス杯と第5戦フィンランド杯にエントリー。
住吉りをん
2022年フランス杯&NHK杯銅メダル、2023年ファイナル出場
コーチ:岡島功治、佐藤紀子、佐藤弥桜
ジュニア時代から大注目の住吉選手。
武器の4回転トゥループは昨季ようやく試合で成功、グランプリファイナルにも出場。
第3戦フランス杯、第6戦中国杯にエントリー。
樋口新葉
2022年北京五輪4位、2018年世界選手権銀メダル
コーチ:岡島功治、佐藤紀子
北京五輪で念願の3回転アクセルをショート/フリー共に決めて充実のシーズンを終えた後、1年間の休養を経て昨季カムバック。
休業明けでもこだわりの3回転アクセルは健在。残念ながら成功はしませんでしたが、今季もチャレンジしてくるでしょう。
新プログラムが、
ショート『猿の惑星』/フリー『Nature Boy』
と発表になっています。
第1戦アメリカ杯、第3戦フランス杯にエントリー。
個人的な注目ポイント
男子シングル
やはり、300点倶楽部の常連、
- イリア・マリニン
- 鍵山優真
- アダム・シャオ・イムファ
三強の争いとなりますかね。
でも日本からも佐藤駿くん、三浦佳生くん、山本草太くん、友野一希くんら、世界の表彰台を狙える選手が粒ぞろいなのです。
4回転では甲乙つけ難くなってきた、末恐ろしい時代の到来なので、みなさんプログラムの完成度やGOEの加点にも取り組んでくることでしょう。
ゾクゾクとうっとりのごちゃ混ぜですね。
女子シングル
坂本選手一強の様相を呈していますが。
ロシアンは今季も除外なんですね。
エテリ先生のところには、もはやワリエワ選手を凌ぐ天才少女が登場して凄いことになってるのに、世界で取り扱われることがないなんて、悲しい現実です。
アメリカのアリサ・リウ選手が現役復帰はうれしいニュースです。イザボー・レビト選手とブレディ・テネル選手と共に、アメリカも強いですね。
ベルギーはルナ・ヘンドリックス選手が世界の表彰台の常連になって以来、国のレベルを押し上げたでしょうか。昨季ヨーロッパ選手権でルナ選手金メダルと一緒に銅メダルで表彰台に載ったのが同じくベルギーのニーナ・ピンサローネ選手。
ロシア出身でポーランド代表のエカテリーナ・クラコワ選手もヨーロッパ選手権の表彰台に肉薄しています。
ヨーロッパの選手たちも楽しみですね!
グランプリ転戦
NHK杯は今季、第4戦目と変則パターン。
今季も引き続きロシア杯がなくて、フィンランド杯。
最終戦が中国、ファイナルも中国。
ヨーロッパの選手たちは帰国迷っちゃうパターンでしょうかね。
NHK杯チケット情報
場所は東京、国立代々木競技場第一体育館!
男女共に3枠目が未定。ここにどの名前が入るのかも楽しみです。
島田くんとバシリエフスくんがエントリーしているので、ランビエールさん来日確定、よっしゃ!眼福!!
チケットを取り扱っているのはチケットぴあ。
最速独占先行販売の抽選が6月27日(木)までで、絶賛申込受付中です!
グランプリシリーズ、全大会のエントリー情報
グランプリにアサインされている選手の一覧は、以下のISU公式サイトから見ることができます。
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