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女子ショートプログラム
鈴木明子選手(JPN)
第一滑走は、遅れて来たライジング・スター鈴木明子さん。
『リバーダンス』より。宮本賢二さん振り付け。
まずは3F-2Tのコンビネーションから。
続くジャンプは、意外にも3Lo。
2Aは確実に決め、曲を存分に表現する、見せ場のステップ。
難なくこなしたように思えたけれども、安全策とした3Loopが痛恨の回転不足。
57点台の低い得点に、会場からはブーイングならぬ、
「え~」(日本語)
のため息が漏れる。
アシュリー・ワグナー(USA)
第二滑走、アメリカのアシュリー・ワグナーちゃん。
『ワンス・アポン・イン・アメリカ』。
ジュニアだと思っていた彼女も、シニアのグランプリに出場するにまで成長しました。
3F-2T、3Lz。
綺麗に決まったように見えたけれども、解説の荒川さんによるとどちらも両足着氷の疑い有り、だそう。ブルーグレーの衣装にシルバーのアクセサリー宝石ブルーが清楚でリンクに映える。荒川さんのご指摘通り、かなりの減点があった模様、54点台と思い切り抑えられる。
アリョーナ・レオノワ(RUS)
第三滑走、ロシアのアリーナ・レオノワちゃん。
ロシア民謡『Barynia』。
ロシアの選手は、透き通るような美しさのタイプと、筋肉質ではつらつとしたタイプとに分かれますが、彼女は後者。
かつてのソコロワさんを彷彿とさせますね。
憧れの選手は、スルツカヤさんとのことです。
ジャンプはふたつ目のルッツでオーバーターンになってしまうけれども、はじけるような笑顔でリンクを駆け抜け、会場を味方につけながら一気に技を繰り出し、自己最高の61点突破。
暫定1位となる。
ジョアニー・ロシェット(CAN)
第四滑走、カナダのロシェットさん。
『ラ・クンバルシータ』。
昨シーズンは抜群の安定感を誇っていた彼女ですが、今シーズンは過去2戦は両極端。
ファイナルのショートは、冒頭の3Lz-2Tでぐらついてしまいました。
残りのエレメンツはしっかりと決めましたが、最近の彼女にしては60点ちょいとの驚きの低い得点。
安藤美姫(JPN)
第五滑走、日本の安藤さん。
『レクイエム』。
聞くごとに、演じるごとに、深みが増していくような気がするこのプログラム。
「難度より完成度」
「大技に挑む」
「やっぱり・・・」
「でも本心は・・・」
と変わり身の早いこの陣営ですが、この大会は3-3への拘りを二人揃って宣言。
なので、コンビネーションのふたつ目がダブルになってしまった悔しさが顔に滲み出ていましたね。
モロゾフさんは苦笑いでしたが。
66点は自己最高に限りなく近い高得点ですが、本人は謙虚に「点数出過ぎ」だとコメントしていました。
キム・ヨナ(KOR)
最終滑走、キム・ヨナ。
『007』。
すっかり世界を虜にしてしまったキュートで怪しげなボンドガール!
黒いマニキュアなんて凄い演出ですが、醸し出す雰囲気から何からトータル・コーディネイトですね。
いつも通りの快速助走で、3Lz-3Tを決めますが、珍しく若干シェイキーかなあと思ったセカンド・ジャンプの着氷は、実は回転不足の判定!
これには驚きました。無敵のこのコンビネーションにケチがつくなんて、想像だにしませんでしたので。そしてなんと続くフリップはシングルに(もっとビックリ)。
さすがの彼女も、ショートで2つもジャンプミスした暁には点数が伸びません。
それでも一般人には羨ましすぎる、65点が出ました。
Pl. | Name | Nation | TSS = | TES + | PCS + | SS | TR | PE | CH | IN | Ded. – |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | Miki ANDO | JPN | 66.20 | 35.60 | 30.60 | 7.75 | 7.25 | 7.80 | 7.60 | 7.85 | 0.00 |
2 | Yu-Na KIM | KOR | 65.64 | 33.80 | 31.84 | 8.10 | 7.45 | 8.10 | 8.00 | 8.15 | 0.00 |
3 | Alena LEONOVA | RUS | 61.60 | 33.40 | 28.20 | 6.95 | 6.70 | 7.20 | 7.10 | 7.30 | 0.00 |
4 | Joannie ROCHETTE | CAN | 60.94 | 31.26 | 29.68 | 7.50 | 7.25 | 7.30 | 7.45 | 7.60 | 0.00 |
5 | Akiko SUZUKI | JPN | 57.54 | 30.06 | 27.48 | 6.90 | 6.50 | 6.95 | 6.90 | 7.10 | 0.00 |
6 | Ashley WAGNER | USA | 54.26 | 27.30 | 26.96 | 6.75 | 6.40 | 6.90 | 6.75 | 6.90 | 0.00 |
男子ショートプログラム
トマシュ・ベルネル(CZE)
第一滑走は、ジュベールくんの代役で急遽召集のベルネルさん。
『その男ゾルバ』。
冒頭のコンビネーションは、ショートでも絶対に外さないゾと強気の4T-3T!非の打ち所なし!
この爽快感でも、ジュベの抜けた穴をきっちり埋める。
これ決めて・・・転倒なしで・・・70点てどういうこっちゃ!?(←何故か得点知ってる)
・・・と思ったらば!
なんと次のジャンプが1A と1LZ。
こんなにもったいないショートプログラムを観たのは初めてでした。
ジョニー・ウィアー(USA)
第二滑走、ジョニーくん。
『I Love You, I Hate You』。
3Lz-3T, 3A, 3F 全くぶれることなし。着氷後の流れも艶やか。
パーフェクトな演技で、スタ・オベの大喝采!!
84点台を叩き出し、一気に大会を世界の頂点レベルに引き上げました。
高橋大輔(JPN)
第三滑走、大ちゃん。
『Eyes』。
既に覗き見済みの得点に、感涙止まらぬまま正座でお待ち申し上げ候。
甘美な旋律音譜に身を委ね滑り出す、まずは3F-3Tそれから3A、更には3Lz!
ふわあっと、シュルシュルシュル~っと、シャキーンと決め、決め~っ。
猛々しさで魅了した後は、華のあるスピン、そしてアピールする気満々のステップ。
パーフェクト!!
うんっ。普通。至って普通!!
大ちゃん的にごくごく当たり前の演技。
地位と名声を欲しいままにした男が4回転を注ぎ込んでようやく絞り出した世界最高得点(※)に、4回転を跳ばない大ちゃんがあっさりと肉薄する。なんと0.71差。
快っ、感っ。
※・・・2006年トリノ五輪でプルシェンコさんが出した90.66点
ジェレミー・アボット(USA)
第四滑走、師弟愛が眩しい、アボットくん。
『A Day in the Life』。
3F-3T、決まる。
君も来るか、パーフェクト!
と思ったら、3Aで着氷がぐらり、続く3Lzでは堪えきれずに転倒。
それでもほとばしるパワーで、リンクを駆け抜け、後を引きずらず、76点台突破。
エヴァン・ライサチェク(USA)
第五滑走、世界チャンピオンのお出まし、エヴァンくん。
ストラヴィンスキー『火の鳥』。
3A、3Lz-3T、3F!!
ステップもスピンも、余裕たっぷり、自信たっぷりに滑りきり、彼もパーーーーーフェクトっ。
大ちゃんに出しちゃったから出さない訳にはいかない感じの89.85。
エヴァンくんだって、フランク・キャロルさんだって、大ちゃんの得点見てなかったら狂喜乱舞してたに違いない驚愕の高得点。
なんなんだ~、このレベルの高さ!!
さっきまでジョニーくんの84点に絶叫していた自分が遠い過去のように思える。
織田信成(JPN)
さてと、唯一人、無敗のまま乗り込んだ織田くん。
『死の舞踏』。
このボルテージ上がりまくった舞台で、満員のホームで、平常の演技ができるものなんだろうか。
・・・出来た!
3A、3Lz-3T、3F、完璧!
一瞬沈み込みすぎてバランス崩したのかと錯覚するくらい深い着氷、それが柔らかく決まったと判ったときにハラハラ(・・;)がジーン。゚(T^T)゚。に変わる。
強張った顔つきに、「絶対に負けたくない」という気力が溢れ出ている。
繊細なラインとは裏腹な力強いステップに、独創的なスピンを決め、フィニッシュ。
しかして、その評価は・・・
自己ベストとなる87点台!!
普通なら立ち上がって観客に応えたいところなんだろうけど、前の二人が凄すぎたために落胆の色は隠せない。
Pl. | Name | Nation | TSS = | TES + | PCS + | SS | TR | PE | CH | IN | Ded. – |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | Daisuke TAKAHASHI | JPN | 89.95 | 48.30 | 41.65 | 8.35 | 8.00 | 8.50 | 8.35 | 8.45 | 0.00 |
2 | Evan LYSACEK | USA | 89.85 | 48.20 | 41.65 | 8.25 | 8.05 | 8.45 | 8.40 | 8.50 | 0.00 |
3 | Nobunari ODA | JPN | 87.65 | 47.80 | 39.85 | 8.15 | 7.75 | 8.05 | 8.00 | 7.90 | 0.00 |
4 | Johnny WEIR | USA | 84.60 | 45.60 | 39.00 | 7.75 | 7.35 | 8.00 | 7.90 | 8.00 | 0.00 |
5 | Jeremy ABBOTT | USA | 76.65 | 39.30 | 38.35 | 7.70 | 7.40 | 7.65 | 7.80 | 7.80 | 1.00 |
6 | Tomas VERNER | CZE | 70.17 | 33.22 | 36.95 | 7.45 | 7.25 | 7.30 | 7.45 | 7.50 | 0.00 |
新採点方式となって早5年
驚くべきことは、今シーズン、オリンピックを間近に控え、プログラムコンポーネンツがぐーっと跳ね上がるようになりました。
この大会は、更にそれに輪をかけているような気がします。
さて、フリーはどうなりますか。
大ちゃん、4分半、最後まで攻め続けられますように。
織田くん、4-3-3、がっちり決められますように。
現世界王者、現GPF覇者を迎え撃とうとも、舞台は東京。実質これは五輪内定を懸けた日本男子の一騎打ち(他の国の方、ゴメンナサイ)。
今夜、それが決着します。
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